スパイ小説の第一人者、ジョン・ル・カレの傑作、
「ティンカーテイラーソルジャースパイ」の映画化。
「ダークナイト」のゲイリー・オールドマンが、
ひたすらに真相を追及する孤高のスパイの姿を体現した。
陰謀と策略が渦巻く魑魅魍魎(ちみもうりょう)の諜報(ちょうほう)機関。
その裏に潜むヒューマン・ドラマを描いた。
1970年代の東西冷戦下、イギリスの諜報部員だったスマイリーは、
ある作戦の失敗の責任を取り、
長年支え、従ってきた上司・コントロールと共に引退を決心する。
しかし、間もなく、
コントロールが謎の死を遂げたとの知らせと共に、
ある極秘指令が、スマイリーの元に届く。
「諜報部の幹部にソ連の二重スパイが潜んでいる。そのスパイを捜し出せ」。
一度は引退した老スパイのスマイリーだが、
部下と共に猛然と捜査に乗り出す。
捜査を進めるうちに、
高度な情報戦に挑むスパイたちの欲望と、
情念に満ちた真実が解きほぐされていく。
イギリスが誇る名優たちの練られた演技が見もの。
巧妙な伏線と共に紡がれるストーリーに最後まで気が抜けない。
騙(だま)し、騙される快感、そんな言葉が似合う一作。