こんにちは、halukaです。
今日は、昨日に続いて、
トム・ハンクスの主演映画「キャスト・アウェイ」のご紹介です。
これほど、少ないセリフで、
じっくり見せる映画はなかなか、ないかなという感じです。
舞台のほとんどは、太平洋に浮かぶ絶海の無人島。
航空機の事故で、一人、その無人島に流れ着くのが、
主人公のチャック・ノーランド(トム・ハンクス)。
さすが、トム・ハンクスです。
なにしろ、無人島。
話す相手さえいないのですから、セリフが少ないのは、
当たり前と言えば、当たり前なのでしょうが、
ひとり身の孤島で、飢えと渇き、孤独と希望、
微かなユーモアさえ演じてみせます。
ストーリーの始まりは、切れのいい、宅配便の集配場面から。
チャックは、大手宅配便会社フェデックスのシステム・エンジニア。
時間を守ることを信条に、アメリカ、ロシアなど各国を飛び回り、
分単位での荷物の仕分けを従業員に促すほど、仕事熱心でした。
大晦日を前にしたそんなある日、
空港で、恋人のケリー・フレアーズ(ヘレン・ハント)と、
出張のためのしばしの別れを惜しんだ後、
運命のいたずらが起こります。
チャックが乗った飛行機が、太平洋上で嵐のために針路を失い、墜落。
ゴムボートにしがみ付き、一夜明けて、砂浜に打ち上げられたチャック。
島に人影はありません。
孤独に苛まれますが、ヤシの実を割って喉を潤したり、
島に流れ着いた荷物の中からウィルソン製のバレーボールを見つけ、
その名の通り「ウィルソン」と名付け、話し相手にするなど、
自分のペースをつくっていきます。
なかでも、「火起こし」に成功する場面は、粋です。
「僕が火をつくった!」。
大喜びのチャック。
やがて、その火で、カニを焼いて食べるシーンでは、
思わず「おいしそうだな」と感じてしまうほどです。
孤島からの脱出にもチャレンジします。
一度目は、流れ着いたままのゴムボートで、
孤島と外海を隔てる荒波に無謀にも挑み、
結果、波に巻かれて、リーフで太ももに大けが。
もう一つのエピソードは、辛い歯の痛み。
航空機の事故以前から感じていた歯痛が、
日を追うごとに、酷くなってしまいます。
意を決したチャックですが…
えー、この場面の描写は、ちょっとやめておきます。
気が付くと、
チャックの無人島での生活は4年もの歳月が過ぎていました。
そこに、再び、孤島からの脱出のチャンスが巡ってきます。
チャックは、木の皮を剥いでロープを編み、
ヤシの木を倒して木材を集め、
入念にイカダを組み、食料さえ、蓄えます。
そして、孤島を囲む荒波を越えるために、
何と言っても強力だったのは、偶然、島に流れ着いた薄い板。
その板を帆の代わりにして、波を越えるための推力を得ます。
やつれながらも、いよいよ大海に漕ぎ出したチャック。
運命の女神は微笑み、チャックは大型船に助けられます。
そして、恋人ケリーとの再会…。
「明日も日が昇り、潮が何かを運んでくる」。
絶海の孤島での孤独、恋人との再会と別れを経ながらも、
なぜだか嫌味のないトム・ハンクスの個性的な演技が、
ラストでまた、きらりと光ります。