「ヘッドライン」は、新聞の見出しの意味。
小さくても、そこにはスクープにかけた新聞記者の悪戦苦闘が隠されている。
「消された…」の文字通り、日の目を見ない見出しもある。
政治とマスコミ、紙とウェブ媒体など、
現代のジャーナリズムの姿を捉えたサスペンス映画。
主役のベテラン記者カルを演じる。
カルは、大スクープのためには違法ぎりぎりの取材もいとわない。
あの手この手で、現代の暗部に挑む、ダーティーなヒーロー役。
陰謀をめぐらせる民間軍事企業と、
事実を隠蔽(いんぺい)しようとする国家。
調査委員会の議員である親友のスキャンダルをきっかけに、
現代アメリカ最大の闇を追及する。
全編に漂う暗いトーンはまるで、
閉塞(へいそく)感に包まれた世情そのまま。
真相に迫るほど、既得権に固執する勢力から言論封じの魔の手が迫る。
議員役は、ベン・アフレック。
新人記者役にレイチェル・マクアダムス。
複雑な人間関係が絡まって、上質のエンターテインメントに仕上がっている。
監督は、ドキュメンタリー映画などで話題のケビン・マクドナルド。
ジャーナリスティックな鋭い視点が生きている。
ネット回線に乗って、最新のニュースがすさまじい速さで消費される現代だけれど、
日々更新されるヘッドラインの裏に、記者の使命感が見て取れる一作。